天体の位置やこよみを正確に計算する際に必要になってくる「歳差」と「章動」の変換行列についての調査記録です。
0. 前提条件
- ここでは「歳差」や「章動」が何かということは説明しないので、必要であれば各自お調べください。
1. 歳差の変換行列(Fukushima の方法)
歳差の変換行列は以下のように書ける。
但し、は軸、軸を軸とした回転で、以下のように表される。
よって、
また、ユリウス世紀数をとすると、GCRSから変換する場合のは以下のとおり。(単位:)
J2000.0から変換する場合のは以下のとおり。(単位:)
そして、はいずれも以下のとおり。(単位:)
2. 章動の変換行列(MHB2000(IAU2000A)の修正版)
歳差と同様に、章動の変換行列は以下のように書ける。
は、
であるので、
上記のはMHB2000章動理論によるものである(ここでは割愛)が、若干修正する。
3. 歳差・章動の一括変換
歳差と章動を以下のよう一括で変換することもできる。
4. その他
上記の内容を で作成したものは以下。
また、「章動の変換行列」を MHB2000 理論によるものから若干修正しているのは、日本の国立天文台が採用している理論に合わせたため。
5. 参考サイト
以上。