玄箱HG - Debian 5.0(lenny) 化!
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過去にも、何度か記事にしたことのある「玄箱/HG」についてです。
Debian 3.0(woody) 化、Debian 3.1(sarge) 化、Debian 4.0(etch) 化、Fedora 7 化 〜 Fedora 12 化したりしてきました。
今回は、今さらながら Debian 5.0(lenny) 化してみました。 以前も、Debian 5.0(lenny) 化したことがありましたが、今回の方法が正しい方法です。
作業記録
0. 前提条件
- 「玄箱/HG」への Debian 5.0(lenny) の構築を想定。 「玄箱」への構築も同様だが、一部使用するファイルが異なる。
- シリアルコンソールは使用しない(ハンダ付けしていない)。
- U-Boot 導入済み。
- 作業を行うマシンは Linux Mint 13 Maya Telnet 接続ができて、ZIP 展開ができて、FTP コマンドが使えれば、OS はなんでもよい。 ファームウェアに Windows 用インストーラがあるからといって、Windows である必要もない。
1. 事前準備
以下の計8個のファイルを作業用マシンにダウンロードしておく。 ※「玄箱/HG」ではなく「玄箱」に構築する場合は、使用するファイルが異なる場合があります。各サイトでご確認ください。
-
kuroutoshikou web page
-
玄箱/HGのファームウェア kurog101.zip
http://www.kuroutoshikou.com/products/kuro-box/kurog101.zip -
Revulo’s Laboratory
- debian-lenny-installer-kuroBOX-20090317.tgz
http://download.revulo.com/kuro-box/debian-lenny-installer-kuroBOX-20090317.tgz - debian-lenny-kuroBOX-20090317.tgz
http://cid-a95b9af71540ba41.skydrive.live.com/self.aspx/.Public/kuro-box/debian-lenny-kuroBOX-20090317.tgz -
kuro-bootsel2-debian.tgz
http://download.revulo.com/kuro-box/kuro-bootsel2-debian.tgz -
玄箱でNetBSDを動かす
-
kuro-bootsel2.20080419.tar.gz
http://kurobsd.ki.nu/download/testing/powerpc/selector/bootsel2/kuro-bootsel2.20080419.tar.gz -
Genbako kernel collection
- loader.o
http://www.genbako.com/loader.o/loader.o - kernelimage-2.6.25.1-kuroHG.tgz
http://www.genbako.com/kernelimage-2.6.25.1-kuroHG.tgz - modules-2.6.25.1-kuroHG.tgz
http://www.genbako.com/modules-2.6.25.1-kuroHG.tgz
2. 玄箱/HGのEMモード化
当方の場合、玄箱/HG に U-Boot 導入済みで、シリアルコンソールを使用しない環境なので、”netcat” コマンドで EM モードにする。 ※U-Boot, “netcat” については 玄箱HG - U-Boot化! を参照。 U-Boot を使用しない環境なら、 Kernel 2.4 系なら、
# echo -n "NGNG" > /dev/fl3
Kernel 2.6 系なら、
# echo -n "NGNG" > /dev/mtdblock2
でしょうか。 その他、強制的に EM モード化する方法もあります。
3. 玄箱/HG へログイン
EM モードで起動した玄箱/HG へ Telnet で root でログインする。 パスワードは kuroadmin (玄箱なら kuro)
# telnet 192.168.11.21
IPアドレスはDHCP環境により異なります。
4. パーティション割り当て
一旦、パーティションを全削除後、以下の容量で割り当てる。
パーティション | 容量 | 用途 |
---|---|---|
/dev/hda1 | 2 GB | MontaVista用 |
/dev/hda2 | 256 MB | スワップ領域 |
/dev/hda3 | 4 GB | Debian(lenny)用 |
/dev/hda4 | 残り | データ用 |
# mfdisk -e /dev/hda
# mfdisk -c /dev/hda
※ /dev/hda2 のパーティションタイプを “82 (Linux swap)” にすることに注意。 ※ “p” とか “n” とかで設定する。 “mfdisk” の基本的な使い方なのでここでは説明しない。別途お調べください。
5. パーティションフォーマット
割り当てたパーティションをフォーマットし、 /dev/hda1 を /mnt にマウントしておく。
# mke2fs -j /dev/hda1
# mke2fs -j /dev/hda3
# mke2fs -j /dev/hda4
# mkswap /dev/hda2
# mount -t ext3 /dev/hda1 /mnt
※ “mke2fs”, “mkswap” の基本的な使い方なので詳細はここでは説明しない。別途お調べください。
6.ファームウェアの展開
作業用マシンで、玄箱/HG のファームウェア “kurog101.zip” を展開し、現れた “image.zip” をさらに展開する。 現れた “tmpimage.tgz” だけを、玄箱/HG の “/mnt” ディレクトリに FTP 転送する。 ※FTP コマンドについては、基本的なことなのでここでは説明しない。 そして、玄箱/HG 側で “/mnt” ディレクトリに移動し、”tmpimage.tgz” を展開する。
# cd /mnt
# tar zxvf tmpimage.tgz
7. 玄箱/HGのEMモード解除
当方、U-Boot 導入済みで、シリアルコンソールを使用しない環境なので、”netcat” コマンドで EM モードを解除する。 一般的には、Kernel 2.4 系なら、
# echo -n "OKOK" > /dev/fl3
Kernel 2.6 系なら、
# echo -n "OKOK" > /dev/mtdblock2
でしょうか。
8. 玄箱/HG のリブート
玄箱/HG をリブートする。
# reboot
9. lenny化用ファイルの転送
以下の7個のファイルを 玄箱/HG の /tmp ディレクトリに FTP 転送する。
- debian-lenny-installer-kuroBOX-20090317.tgz
- debian-lenny-kuroBOX-20090317.tgz
- kuro-bootsel2-debian.tgz
- kuro-bootsel2.20080419.tar.gz
- loader.o
- kernelimage-2.6.25.1-kuroHG.tgz
- modules-2.6.25.1-kuroHG.tgz
10. lenny インストール
玄箱/HG 側で、”/tmp” ディレクトリに移動し、”debian-lenny-installer-kuroBOX-20090317.tgz” を展開する。 そして、展開して現れたファイルのうち、玄箱/HG 用のインストールスクリプトを実行する。
# cd /tmp
# tar zxvf debian-lenny-installer-kuroBOX-20090317.tgz
# sh debian-lenny-installer-kuroHG.sh
これで、”/dev/hda3” に Debian(lenny) がインストールされる。 また、起動時に “/dev/hda1” ではなく “/dev/hda3” がルートになるようになる。
11. ネットワークの設定
ここで、ネットワークの設定をしておかないと、玄箱/HG をリブートした時に Telnet 接続できなくなる。
# vi /mnt/etc/hostname
# vi /mnt/etc/hosts
# vi /mnt/etc/resolve.conf
# vi /mnt/etc/network/interfaces
自分の環境に合わせて修正する。 各ファイルの内容はよくある Linux でのネットワーク設定なので、ここでは説明しない。各自お調べください。
12. 玄箱/HG のリブート
以上の設定が完了したら、玄箱/HG をリブートする。 Debian lennyが起動する。
# reboot
13. 玄箱/HG Debian lenny へログイン
起動したら、Telnet でログインする。 ユーザ名/パスワードは “tmp-kun/tmp-kun” root ユーザのパスワードは “root”。 仮に、ログインできないようなら、これまでの設定が誤っている可能性があるので、見直してみる。
14.ユーザ作成等
新たにユーザを作成したり、tmp-kun ユーザを削除したり、root のパスワードを変更したりする。
15. パブリックキー設定
以下のコマンドで、パブリックキーを設定する。
# aptitude install debian-archive-keyring
16. Debian lenny アップデート
以下のコマンドで、Debian lenny をアップデートする。
# aptitude update
# aptitude safe-upgrade
これで、lenny 化は完了。 あとは、通常の Debian GNU/Linux として使用すればよい。 ※しかし、2012/02/06 で Debian Lennyのセキュリティサポートの提供が終了しているので、パッケージリストの更新 “apt-get update” が効かない。 ※さらに、Debian 6.0(squeeze) へアップグレードした方がよさそう。
参考サイト
その他
直接 Debian lenny を起動せずに、一旦 MontaVista Linux を経由してから起動するようになっている。 Kernel バージョンの違いにより直接起動できないからだ。
ちなみに、MontaVista Linux ではなく Debian etch を経由させる方法もあるようだ。 しかし、当方の場合、etch と lenny が交互に起動するという現象に陥ってしまうので、MontaVista Linux 経由で lenny を起動させるようにした。
また、冒頭にも記載したが、「玄箱/HG」でなく「玄箱」の場合は使用するファイルが異なるものもある。(「玄箱」、「玄箱/HG」共通で使えるファイルもある) 「玄箱」への構築の場合は、各サイトでご確認ください。
RAM 128MB ほどの NAS マシンなので、1台であれこれやろうとするとさすがに重くなって使い物になりませんが、ファイルサーバくらいには十分活用できます。
ちなみに、Debian 5.0(lenny) は 2012/02/06 でセキュリティサポートの提供が終了しているようなので、Debian 6.0(squeeze) 化も目論んでいるところであります。
以上。
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