Ruby on Rails - Nginx & Unicorn で動かす!

Updated:


現在 Rails サイト・アプリは、サーバ環境・ローカル環境ともに Apache2 + Passenger で動かしていますが、Nginx + Unicorn で動かすにはどうすべきか試行してみたので、記録しておきます。
(ちなみに、当初この記事を執筆していた時(数週間前)は試行段階でしたが、現在は実際に運用しています)

Unicorn とは、CPU やメモリをあまり消費せず高速で軽快に動く次世代 Rails サーバです。

0. 前提条件

  • Linux Mint 14 Nadia (64bit) での作業を想定。
  • Nginx 1.2.6 がソースビルドによりインストール済み。
    (パッケージを利用してインストールした Nginx とはディレクトリ構成等が若干異なる)
  • Rails アプリは既に作成済み。(場所:/var/www/rails/rails_app
  • Rails アプリをサブディレクトリ運用(http://foo.bar/rails_app/ のように)する場合を想定。
  • Proxy は TCP ポートではなく、Unix ソケットを使用。
  • Ruby 1.9.3-p362, Rails 3.2.10 で動作確認。

1. Nginx の設定

Nginx の設定(当方環境の場合 /usr/local/nginx/conf/nginx.conf)を以下のように編集する。
(関係のある部分のみ抜粋)

File: /usr/local/nginx/conf/nginx.conf

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
http {

    :

    # Rails アプリ別に設定した
    upstream unicorn.rails_app {
        # Unicorn のソケット指定
        # (fail_timeout=0 は、失敗時常にリトライする設定)
        server unix:/var/www/rails/rails_app/tmp/sockets/unicorn.sock fail_timeout=0;
     }

    server {

        :

        location /rails_app {
            alias /var/www/rails/rails_app/public;
            index  index.html index.htm index;

            try_files $uri/index.html $uri.html $uri @unicorn_rails_app;
        }

        # Proxy 設定
        location @unicorn_rails_app {
            proxy_redirect off;
            proxy_set_header Host               $host;
            proxy_set_header X-Real-IP          $remote_addr;
            proxy_set_header X-Forwarded-Host   $host;
            proxy_set_header X-Forwarded-Server $host;
            proxy_set_header X-Forwarded-For    $proxy_add_x_forwarded_for;
            proxy_pass http://unicorn.rails_app;
        }

        :

    }
}

try_files と名前付きロケーション(@マーク付きのロケーション名)で内部リダイレクトしている。
(Nginx の if は曲者らしいので、ファイル存在チェックは try_files で行なっている)

2. Gemfile 編集

該当の Rails アプリの Gemfile に以下の記述を追加する。

File: /var/www/rails/rails_app/Gemfile

1
gem 'unicorn'

3. Bundle Install

該当の Rails アプリのディレクトリへ移動し、Bundle Install する。

$ cd /var/www/rails/rails_app
$ bundle install

他の Ruby アプリでも Unicorn を使用するなら、Gemfile に記述して Rails アプリそれぞれで bundle install せずに直接 sudo gem install unicorn してもよい。

4. Unicorn 設定

該当の Rails アプリの config ディレクトリ配下に設定ファイル unicorn.rb を作成する。

File: /var/www/rails/rails_app/config/unicorn.rb

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
# ワーカーの数
worker_processes 2

# RAILS_ROOT を指定
working_directory "/var/www/rails/rails_app/"

# ソケット
listen "/var/www/rails/rails_app/tmp/sockets/unicorn.sock"

# PID
pid    "tmp/pids/unicorn.pid"

# ログ
stderr_path "log/unicorn.log"
stdout_path "log/unicorn.log"

# ダウンタイムなくす
preload_app true

before_fork do |server, worker|
  defined?(ActiveRecord::Base) and ActiveRecord::Base.connection.disconnect!

  old_pid = "#{ server.config[:pid] }.oldbin"
  unless old_pid == server.pid
    begin
      Process.kill :QUIT, File.read(old_pid).to_i
    rescue Errno::ENOENT, Errno::ESRCH
    end
  end
end

after_fork do |server, worker|
  defined?(ActiveRecord::Base) and ActiveRecord::Base.establish_connection
end

5. config.ru 編集

Rails アプリをサブディレクトリ運用する場合は、Routing の設定が必要である。
RAILS_ROOT にある config.ru を以下のように編集する。

File: /var/www/rails/rails_app/config.ru

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
# This file is used by Rack-based servers to start the application.

require ::File.expand_path('../config/environment',  __FILE__)
if ENV['RAILS_RELATIVE_URL_ROOT']
  map ENV['RAILS_RELATIVE_URL_ROOT'] do
    run RailsApp::Application
  end
else
  run RailsApp::Application
end

6. Unicorn 起動

以下のコマンドで Unicorn を起動する。
今回はサブディレクトリ運用なので --path を指定するのがポイント。
ログファイルにエラーが出力されなければ OK.

$ bundle exec unicorn_rails -c config/unicorn.rb -E production -D --path /rails_app
  • -c : 設定ファイル
  • -E : RAILS_ENV(デフォルトはdevelopment)
  • -D : デーモンとして動作
  • -p : ポートを指定する場合
  • --path : ディレクトリ指定

上記コマンド先頭の bundle exec は省略してもよい。

【2013.01.30 追記】
また場合によっては、-E オプションの位置により挙動が異なることがあるので、その際は -E オプションの位置を変えてみる。

7. Unicorn 停止

デーモンとして起動した Unicorn は停止コマンドが無いので、以下のように PID を指定して kill する。

kill -QUIT `cat tmp/pids/unicorn.pid`

オプション無しか -TERM オプションでもよいが、それでは停止しないこともあるようなので、-QUIT オプションとした。
もしくは、以下のように PID を特定してから、kill してもよい。

# unicornのmasterプロセスのIDを特定する
$ sudo pgrep -f 'unicorn_rails master'
1234

$ kill -TERM 1234   # 正常な終了動作を行わせて安全に終了
or
$ kill -QUIT 1234   # 端末からの終了命令
or
$ kill -INT 1234    # ユーザからの強制終了命令

kill コマンドでオプション無しは kill -TERM or kill -15 と同義。
-QUIT-3 に、-INT-2 に置き換えても OK.

8. Unicorn 再起動

デーモンとして起動した Unicorn は再起動コマンドが無いので、上記の停止・起動を実行するか以下のようにする。

kill -HUP `cat /tmp/unicorn.pid`

参考サイト

その他多数。


Apache + Passenger で Rails アプリを動かしていた時に比べ設定等が煩雑に思えますが、速度に関して言えばやはり高速になった気がします。(ベンチマークは別途記事にします)

以上。





 

Sponsored Link

 

Comments