GIS - 国土数値情報データの市区町村をチェック(その2)!
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前回は、国土交通省の「国土数値情報ダウンロードサービス」からダウンロードした「行政区域」データ(Shapefile)に含まれる「市区町村」と、「地方公共団体情報システム機構」に登録されている市区町村と比較して、過不足の有無を確認しました。
今回は、国土交通省の「国土数値情報ダウンロードサービス」からダウンロードした「行政区域」データ(Shapefile)に含まれる「市区町村」と、気象庁が地震の最大震度を発表する際に使用する市区町村と比較して、過不足の有無を確認しました。
以下、簡単な作業記録です。
0. 前提条件
- 当記事で出現する「市」とは「政令指定都市」以外の市のこと。「政令指定都市」は「区」を使用。
- 国土数値情報の市区町村の状態を確認した結果を紹介するだけで、具体的なチェック方法は説明しない。
- チェックは「市区町村コード」で行う。
1. 地図データ(Shapefile)の準備
今回も、国土交通省の国土数値情報ダウンロードサービス」からダウンロードした「平成26年4月1日」作成の全都道府県分の「行政区域」データを使用する。(Shapefile の使用方法等については、当ブログ過去記事等をご参照ください)
ただ、ダウンロードしたままの Shapefile ではポリゴンが地物単位になっていて市区町村が一意なものになっていないので、あらかじめ市区町村単位で「地物融合」しておく。
(参照「QGIS(QuantumGIS) - 国土数値情報・ポリゴンの融合!」)
さらに、扱いやすいように全都道府県分を1つに結合しておく。
(参照「GDAL/OGR - 国土数値情報の複数 Shapefile を結合!)
今回実際に使用したデータは「市町村コード(N03_007)」と「市町村名(N03_004)」のみ。
2. 市区町村データの準備
比較用データとして、「気象庁防災情報XMLフォーマット」(要環境整備&ユーザ登録)で提供されているマスタデータを加工して CSV ファイルに保存しておく。
今回実際に使用したデータは「市町村コード(チェックデジット除いた5桁)」と「市町村名」のみ。
3. 比較チェック
Shapefile を読み込んで CSV データと比較してみる。
詳細は紹介しないが、実際には Ruby で Shapefile, CSV データを読み込んで比較チェックした。
4. 結果
以下のような結果となった。
* 国土数値情報・行政区域データに存在する市区町村数
===> 1,900 件
* 気象庁防災情報XML(震度用市区町村)に存在する市区町村数
===> 1,899 件
* 気象庁防災情報XML(震度用市区町村)に存在するが、
国土数値情報・行政区域データに存在しない市区町村数
===> 0 件
* 国土数値情報・行政区域データに存在するが、
気象庁防災情報XML(震度用市区町村)に存在しない市区町村数
===> 3 件
01696,泊村・留夜別村
01695,色丹村
01698,留別村・紗那村・蘂取
国土数値情報・行政区域データに存在するが、気象庁防災情報XML(震度用市区町村)に存在しない市区町村の
- 「泊村・留夜別村」、「色丹村」、「留別村・紗那村・蘂取」は、いずれも現在ロシアが実効支配しているサハリン州(国後島、色丹島、択捉島)である。
また、件数が合わないのは、同じ市でも分割等されているものが2件(以下)あるため。(実際には気象庁防災情報XML(震度用市区町村)の市区町村コードは7桁であるが、国土数値情報の市区町村コードに合わせ5桁に絞ったため、このようなことになる)
- 市区町村コード:42205
- 4220201,「佐世保市(宇久地域を除く)」の区域
- 4220202,「佐世保市(宇久地域)」の区域
- 市区町村コード:46215
- 4621501,「薩摩川内市」の区域
- 4621502,「薩摩川内市甑島」の区域
市区町村別の最大震度を国土数値情報の地図に対応させる際には、この2件の対応をどうするかさえ解決すれば問題なく使用できるだろう。
当方が将来作成してみようと目論んでいることの準備情報として調査してみた次第でした。
以上。
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